キュービクルは、商業施設や学校など、さまざまなところで利用されています。そんなキュービクルは、多くのメリットがある反面、重大な事故を起こしてしまう危険もあるのです。今回は、そんな事故について、そして、その原因と対策などについて、詳しく解説するので、ぜひご一読ください。
波及事故とは?波及事故の原因も解説
そもそも波及事故とはどのようなことを指すのでしょうか。あまり聞き馴染みのない方もいるかもしれません。そんな方のために、まずこちらでは、波及事故について、解説します。波及事故とは、電気事故の原因により、第三者にまで停電の影響を及ぼしてしまうことを指します。冒頭でも少し触れたとおり、キュービクルは、設置することで、高い安全性が確保できたり、長期的なコスト削減が実現できるといった多くのメリットが得られます。しかし、波及事故を引き起こしてしまうと、莫大な損害となって、自分たちに襲いかかってくるため、注意が必要であるということを、覚えておきましょう。
保守不備
実際に波及事故が起きたデータの割合を見てみると、原因の多くは保守不備であるということが分かっています。受変電設備は、さまざまな電気機器が組み合わさってできています。その電気機器ごとに寿命・耐用年数があるのですが、その寿命・耐用年数が限界を迎えているのにもかかわらず、交換せずに使用していると、故障や波及事故を引き起こしてしまうのです。そのため、保守不備とならないように、定期点検やメンテナンスをしっかり行いましょう。
自然災害
自然災害も原因として、挙げられています。たとえば、雷や雨水によってショートすることにより、事故が発生することもあります。そのため、災害発生時には、異常の有無を、すぐにチェックすることが重要です。そして、落雷による対策としては、避雷器を設置しておくのもよいでしょう。鳥獣による侵入
鳥獣が設備内に侵入して、接触することにより、発生する場合もあります。事故を防ぐためには、鳥獣が侵入できないような仕組みを作るのが重要となります。キュービクルによる波及事故の例
次に、保守不備・鳥獣の侵入・保護範囲外により発生した波及事故を実際起きた事例に基づいいて、いくつか解説するので、ぜひ参考にしてみてください。保守不備により波及事故が発生
これは、令和6年度に発生した事例であり、高圧引込みケーブルが絶縁低下したことにより、地絡が発生して波及事故に至ってしまったケースです。これは、保護範囲内となっていましたが、PASが動作しなかったのが、原因といわれています。鳥獣の侵入により波及事故が発生
こちらは、令和5年度に発生した事例であり、受電キュービクル内のLBS1次側にヘビが引っかかり地絡が発生したというものです。保護範囲内でありながら、地絡継電器が動作しないことにより、PASが開放されなかったため、波及事故となってしまいました。保護範囲外のため波及事故が発生
こちらも令和5年度に発生した事例であり、地下電気室内の天井から漏水した水滴が、受電用断路器の中相にかかり、断路器本体とフレーム間にて地絡しました。事故点が保護範囲外であったため、波及事故となってしまいました。波及事故を防ぐには?必要な対策をしておこう
最後に、波及事故を防ぐために、必要な対策などについて、解説します。上記でも解説したように、波及事故が発生することにより、周りの施設や企業に、大きな損害を与えてしまう可能性があります。そのようなことにならないよう、下記で解説する対策を、しっかり頭に入れておきましょう。保護装置を設置する
地絡遮断装置や短絡事故を防ぐために、過電流遮断器を設置するというのも、対策のひとつとなります。また、高圧を取り扱う設備は雷にも弱いという特徴があるため、避雷器を設置するのも、おすすめの対策となります。劣化機器の早期交換
適切なタイミングで点検を実施して、異常を早期発見できるような体制を整えておくというのも、対策の1つとなります。また、その点検のタイミングで、老朽化した機器は、早めに交換しておきましょう。上記でも少し触れましたが、電子機器には、それぞれ寿命や耐用年数が存在しています。そのなかでも、屋外設置で潮風にあたる機器は、数年で故障が多発するというケースがあるため、注意が必要です。波及事故によるイメージダウンや莫大な損害にならないように、常日頃から設備の状態や天候などに気をつけながら、保護装置の点検を実施していきましょう。